島根アグリビジネス実践スクール③-2
講師:松本武氏
風貌もさることながら(失礼)、第一回GGAPアワード受賞者、国内で初のSQF認証取得、農水省出入り禁止、シャイなど設定盛りだくさんの講師でした。私的には名言(迷言?)も多数飛び出してたり、トピックが多岐にわたっている上に、スピード感もあり、聞いていてジェットコースター的な楽しさがあり、筆記はついていくのがやっとでした。講義終了後にはどっと疲れが出るといった感じ。話しているほうはもっとエネルギーを消耗するだろうなあ。
お金を払ってでも聞いてみたいと思ったので、紹介にあった講義を検討中。
概要:農業人口の減少に伴い、1戸当たりの管理面積が増加14~18ha超となる。規模が拡大することに伴って増加するヒト・モノ・カネのマネジメントコストが原因で規模を拡大してもコストが下がらない現象が起こる。 (壁:第一次限界点)また売上が伸びるとリスクも大きくなる。ちょっとしたつまずきで大ダメージ。規模を拡大する前に経営管理能力を向上させること(経営管理とリスク管理)が壁を越えて成長するための必須条件。GGAPを使えば経営上のリスクを管理できる=経営管理能力の向上。
GGAPはリスクを感じ、その影響を考え、対策を打つ。
【グローバルGAPについて】
【グローバルGAPについて】
・グローバルGAPを道具として使いこなすことで、経営リスクをマネージメント(リスクを抑えることが)できる。
・アジア、アフリカ、中南米で認証を最近とっている
・難しいといわれているのはイメージから。(高校生もとれる)
・世界的な潮目で見ても、GAPは避けれない。
【情報について】
周辺の情報を集める。
【環境分析】
まず置かれている環境の分析から。農業についての3要素①農地②水③人。
①農地について:
社会的義務としてあと10年で増加する耕作放棄地などを見ていかないといけない。全国平均で8ha、島根だと18ha。
「手法=逆算」:2030年には島根では一戸あたり18haの面積の田畑を面倒みないとならない計算となる。2030年から見て、今何が不足しているのか、今後何をしていくのか?を考えていく。
根拠:自給的農家82.5万戸と副業的農家77.9万戸がむこう10年で離農する。農家戸数2015年215万戸→2030年54.6万戸
1/4に減少。
島根の特徴:コメの生産比率が32%と全国平均の18.6%に対して高い。野菜類の目立った商品がなく、バリエーション・量も少ない。
→・農産物の流通アクティビティーが少なく、物流インフラが弱い。
・農業関連産業(段ボールとかビニルハウスとか)のすそ野が小さく、サービスレベルが低下。選択肢がJAしかない。
→情報が少ない。(ネットでフェイスブックでつながるとかしないと情報が入ってこない。自分で取りに行く。)自治体に聞いても情報が出てこないのは特性上先取りできないから。
②自分の売り上げ構造・利益構造を把握しているか?
パーセンテージではなく、金額として把握することが大事。
儲からないのはなぜか?まで分析しないといけない。
③自分の農場の情報:「自らの生産情報を詳細に集めていないと、生産の成功の再現性を持っていない農家(成功の裏打ちをする情報を持っていない)。また何度も同じ失敗をすることになる。
自分を守るために情報を取る。
【GとJのちがい】
海外の軍隊(G):禁止事項以外は現場の状況に応じて→理由を考えられる。
日本(J):マニュアルに従って 一定の条件が整ったときに動ける。→理由を説明できない。「マニュアルに書いてあるから」
【マーケット分析】
・機関投資家が動き出している。日本のフードセイフティに対して圧力をかけ始めている。(相手が動くとわかっていればそれに寄せていくのも経営)
【農産物の市況のメカニズム】
・業務用・加工品の動きが価格を決めている。
・中国産(GGAP)取得の野菜が入ってきている。不透明な国産野菜<認証中国産
【ブランド化の話】
ブランディングするためにはマーケットを占領し、占領し続けることが必要。旬がある農産物では難しい。
→農場をブランド化する。(農場は常にあるので)
・富士紡・旭化成のやり方:商品ではなく、会社をPR.CMコストが安い。)
【トヨタ的利益拡大法】
無駄の排除、作業の無駄の可視化。
「農家 倉庫 整理 」で検索
【認証マークについて】
【行政】
こういうビジョンでやれば、耕作放棄地減るよ。みたいな要望を出してみる。
行政は仲間が多ければ多いほど動いてくれる。
2016年に青森県立五所川原高校がグローバルGAPの賞を取った時の映像が転がっていたので。
名言
「選択肢を2つ用意します。あまいそよかぜのようなはなしと刺激的な激辛な話どちらを選びますか?(誘導?)」
「与党も野党もポンコツ」
「守るのはビジネス上非常に難しい。籠城で勝った武将は一人もいない」
「農水省が過去60年でやった政策で)(大)成功したものはひとつもない」(農水省の逆を張って成功した農家もいるとのこと)
「伴天連とメリケンに負けるのが嫌い」
ファームアナリシス
SOQについて:SQFとは? | 八洋食品株式会社